和漢薬(わかんやく):薬用植物の薬用部位を薬効があるように乾燥し、保存したものを言います。
中国では漢薬、日本では和薬ですが、それらを合わせて和漢薬と言います。
生薬(しょうやく):明治13年に大井玄洞という漢方医がドイツのワイガント著Pharmacognosy(天然薬物の分類学のようなもの)を訳し、生薬学1巻を著しました。
この中で対象とした天然薬物を生薬と称しました。
(金沢大学薬学部130年譜に記載されています)
(また、大井玄洞の銅像は文京区江戸川公園:東京都文京区関口2丁目にありますので、お近くの方はご覧になって下さい。)
生薬について書かれた書物としては、紀元450年〜530年のものとされる中国の陶弘景がまとめた「神農本草経」が有名です。
勿論この書物が最古のものではありません。
中国では紀元前2800年頃(今からざっと5000年近く前)より薬草をはじめとする天然薬物に対する理解があり、治療に用いられていたようで、神農本草経は紀元前2800年頃の神農炎帝の民に教えたという病気治療法をまとめなおした物だということです。
漢方薬:幾種類かの生薬を調合し用いた物で、病気の症状や病人の体質などを総合判断し治療に用いる薬です。
現代の処方薬のほとんどは西洋医学に従い、一薬一成分ですが、漢方薬は様々な生薬が混合されていますので、一薬多成分ということになります。
葛根湯(カッコントウ)や小柴湖湯(ショウサイコトウ)などは御存じの方も多いのではないでしょうか。
物議を醸しそうですが、敢えて西洋医学による処方薬を「デジタル的」とすれば漢方薬は「アナログ的」です。
民間薬:古来より経験的に薬効を知られているもので、民間伝承されている物です。
植物の名にそのまま薬効が表れているものもあります。チドメグサ(血止め草)、ゲンノショウコ(現の証拠)、ドクダミ(毒痛み)等が代表格で、一般に毒性の強くない物が多いですが、中には強い毒性を示す物もあるので要注意です。
春を告げるフクジュソウ(福寿草)、春先に誤食しやすいハシリドコロやヤマトリカブト等々は、重要な薬の原料ですが取り扱いを間違えると死に至る中毒を起こす有毒植物です。
有毒植物の中毒事故について
静かなブームであった山菜摘みが近年のアウトドアブームで加速され、中毒事故が増えているようです。
先日、薬草をテーマにしたシンポジウムに参加しましたが、その中で「毒草と山菜の誤認は伝統文化、民間伝承を伝えるお年寄りが少なくなり伝承の機会が少なくなったことと、山の開発(林道整備など)により山菜・毒草自生地までたやすく辿り着けることによる未熟な山菜愛好家の増加が相まっているようだ」との話がありました。
山菜摘みは熟練者の指導の元、自然に配慮しながら楽しみたいものです。
また、誤って食べてしまったときは胃の内容物を吐かせ、すぐに病院に行きましょう。
その際は中毒を起こした植物を持っていきましょう。
家に持ち帰り調理する際には、何を調理したかが分かるように必ず一部は調理しないで残しておきましょう。
山菜は適切な処理をしないと有毒なものもあります。
よく知られているワラビもフキノトウも適切な処理をしないと有害なのです。
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